Mashiro Chronicle

長文をまとめる練習中 割となんでも書く雑食派

(T大生向け)2Sからでも間に合う進振り強者への道【文科生編】

 

 

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Ⅰ 総論

 

0.はじめに

 

 このエントリーはT大の前期課程に在籍している学生向けになる。他の大学の学生やT大にかかわりのない人生を送っているあなたが読んでも何について語っているのかちんぷんかんぷんかもしれない。予めお断りしておく。

 

 さて、T大生を対象にしているとはいえ、こんな記事に辿り着くのは藁をもつかみたい気分の人に違いない。既に1Aの成績開示は終わり、これから点数が明らかになっていくという時期に差し掛かっている。Twitterを見ればこの4月からT大に通うことが決まった若人が待ちわびた春に歓喜している。そんな中、私たちは思うのだ。ああ、1年前はこんな風に胸を躍らせていたんだっけ、と。あの時の前向きな感情はどこへ行ってしまったのやら、自分でも分からない。

 

 T大生にとって、点数とは戦闘力のようなものだ――理Ⅲを除いて。とりわけ文科生はその傾向が強く、その中でも数字が大きくなればなるほど点へのこだわりが強くなる。コンプレックスからなのかそれとも進振りの魔力にあてられたからなのかは分からない。

 

 とにかく、点の高さは心の余裕を生み、低い点数は絶望をもたらす。この記事は進振り戦争への参加意思が強いものの1年の成績がよろしくなかった学生を主たる読者層として想定しているが、それ以外の人――点数が低く、卑屈になりかけているような学生もウェルカムだ。人間、自分には自信があった方がいい。適度な自信と適度な矜持は人生を豊かにしてくれる。その意味で、高い点数は取っておいて損はない。

 

 具体的には、文Ⅰの国関狙いや文Ⅱの法志望、それから広く文Ⅲ生を対象にしている。筆者が文系なので理科のことは詳しく触れない――あくまで文系視点からの解説になるが、参考にはなると思う。理科生向けの記事はきっと誰かが書いてくれるので、私はノータッチでいきたい。

 

 前置きが長くなった。とにかく、今は話を始めようではないか。

 

1.大原則

 

 進振り戦争へ参加するにあたって、大原則がある。とりわけ、2Sから追い込みをかけたい学生は、この言葉をよくよく頭に叩き込んでおくこと。

 

「かち割るのは、堅実なゲームセンス」

 

 某スイッチの代表曲の一節だが、とにかくこの一言に尽きる。

 

 これから先何度も強調することになるが、「人と同じ道を辿ると苦労する」という経験則が存在する。人と同じ道を通るということは、競争相手が山のようにいるということだ。その上、だいたいの人があなたと同じ思考、同じ作戦でゴールを目指している。これでは、特に1年の段階でビハインドを取っている学生に勝機がない。あなたが本気を出せば200人規模の講義で満点を取れる、というのであれば話は別だが、正解/不正解で判定する理系の科目に比べ、原則相対評価な上論述という試験形態を取ることが多い文系科目においては、満点はおろか90点以上を取ることすら容易ではない。

 

 高い点を取りたいのであれば、人と違う道を選ぶべきだ。

 

 先に掲げた、「堅実なゲームセンス」が意味するところはもう一つある。

 

 例を出せば、簡単に分かる話だ。

 

 1A終了段階でアドバンテージを持っている人の成績は、だいたいこんなイメージに集約できる。

 

    80 - 80 - 80 - 80 - 80    Ave. 80

 

もちろん、これは理想的な成績だ。

 

 だが、ビハインドを取っている人は、残念ながら既にこのモデルへの道が閉ざされている。このような場合、目指す点数は次のようなパターンになる:

 

    100 - 50 - 100 - 50 - 100    Ave. 80

 

 これであれば平均点は上のパターンと同じだ。いや、基本平均点の仕様を鑑みて、追い出しの要素を考慮すれば後者の方がいいかもしれない。

 

 要するに、100か50か、という勝負を仕掛けなければならない、ということだ。このことを念頭に入れて作戦を組み立てなければならない。作戦の組み立てというのは、なにも履修科目に限った話ではない。たとえば、レポート一つにしてみても、手堅く80点を取れる題材ではなく、教員がドン引きするような、100か50か、というテーマを選ぶ必要がある、ということだ。

 

※追記


 もし農学部を志望するのであれば話は別だ。農学部の場合、単位数が重要なので、とにかく単位を回収し続ける古典的な作戦を取ることになる。


※追記終わり


 本物のギャンブラーは勝てる勝負にしか手を出さない、ということはよく言われる。問題は、勝てる勝負をどれだけ多くするか、どれだけ勝ち筋を残すか、ということだ。駆け引きは何も同期の学生との間にだけあるのではない。教員との駆け引きがある、ということは、常に念頭に置いておくべきだと思う。

 

2.作戦の方向性と個性

 

 語るべきことはだいたい尽くした。あとは、自分の強みと弱みを把握する、ということくらいだろう。

 

 言うまでもないことだが、自分の得意分野は把握しておくべきだ。その分野であれば楽にレポートが書ける、少なくとも他の学生と勝負できる、といったフィールドは確保しておきたい。

 

 問題は、自分の得意なフィールドには、自分よりさらに強い存在がいるかもしれない、という一点だ。場合によっては撤退余儀なしのケースもある。その場合は、履修が確定する前に脱走を決め込みたい。なんにせよ、キャップ制というルールがあるのだから、コマは無駄にできない。

 

 もう一点、フィールドの問題ではないが、把握しておくべき個性がある。それは、自分がどの評価方法と相性がいいか、ということだ。

 

 評価方法は3通りある――出席(平常点)・レポート・試験の3つだ。一般に、履修者が多くなるほど右の評価方法を好むようになる。

 

 だが、肝心なのはそこではない。ここで言いたいのは、あなたは「真面目に講義に出る」ことで点を稼ぐタイプなのか、それとも「寝坊しても試験一発勝負」というタイプの講義を好むのか、ということだ。ここばっかりは自分の性格との相談になる。

 

 たとえば、朝弱いタイプで午前中はサボりがちな人が、一限の古典語の講義を取っても意味がないのである。

 

 自分の生活リズムなどともよく相談した上で、きっちり点を稼いで欲しい。

 

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Ⅱ 各論

 

 以下は科目分類ごとに講義の特徴を並べていく。文科生からの視点になるので、理系の人はその点差し引いて読んで欲しい。というか、理系の人はまず物性できっちり点を稼ぐべく備えをしておいた方がいいと思う。

 

1.準必修(基礎科目)

 

  文系にとって準必修は悩みの種である。というのも、だいたい特定の講義に学生が集中するからだ。人気のない講義にはそれなりの理由があり、選択肢は半ば必然的に限られてくる。ここはひとつ、自分の得意な分野で勝負したいところだが、ネックなのは水曜一限。ここに出席できないと一部の科目は最初から考慮外ということになる。そのあたり、どこで妥協するのかは探り合いになる。

 

・目安:

    得意な分野 => 85点以上

    苦手な分野 => 70点以上

 

 こればっかりは仕方のないことだが、人文科学・社会科学両方取る必要があるため、どうしても苦手な分野で勝負しなければならないことがある。そんな時でも、70良くらいは確保したい。70良を取る勉強というものも考えておきたいところだ。

 

・人文科学

    ・ことばと文学

     ここは毎セメスター教員が変わる。情報収集必須。

    ・歴史

        強者が多いので、ここで勝負する人は90点以上を期待しないで履修設計すること。

    ・心理

     脳科学などを目指す人が無双する場合あり。優秀な友人がいれば優先したい。

    ・哲学

     哲学好きでも点数が来ないことがある。教員の専門はなんなのか調べておくこと。

    ・倫理

     真面目に取っている人をあまり見ない。逆に言えば穴場だが、地雷には注意。

 

・社会科学

    ・法

     文Ⅰの強者が集うので避けた方がよい。法志望でも勉強は法学部からで十分。

    ・経済

     数字が苦手でも突撃した方がいい。経済人類学は数式以外の分野もある。

    ・社会

     文Ⅲ生が殺到するが、大半は単位回収目的の有象無象なので安心。

    ・政治

     法と同じ理由でオススメはしないが、法よりは素人でもなんとかなる。

    ・数学

     高校時代に数Ⅲを齧った人はここ。社会科学で唯一高得点が期待できる。

 

 文系の準必修は点が伸び悩むことに定評があり、出席を取らないことがほとんどであるにもかかわらず出席しないと点数が中途半端になってしまう。だいたいは「講義に出ていないと答えられない問題」のせいなので、過去問などで傾向を掴んでおくことも重要である。

 

 ここで平均が90を超えてくるようならもう勝負あったようなものだ。あとは追い出せばいい。

 

2.総合L

 

 文系といえば言語、言語といえば文系である。いや、人工言語とかプログラム言語になると話は別だが、自然言語は文系の領域と言ってよいだろう。ここはよく点の稼ぎ場扱いされるが、現実は意外に厳しい。しっかりと対策を立てること。

 

2-1 二外中級・上級

 

・目安 90点以上

 

 はっきり言って、多くの学生にとって盲点である。ここで稼がずしてどこで稼ぐのか、という科目群なのだが、多くの人は敬遠しがちだ。

 

 理由は簡単で、二外にいい思い出がないからである。必修の二外は「消せない思い出」の筆頭格で、苦手意識が根強いことも多い。

 

 だが、蓋を開けてみれば、受講者一桁、寝ていても90優上保証、なんていうとんでもない講義がそこら中に転がっている。実際、筆者の知人の一人は中級演習で毎講義爆睡していたがちゃっかり優を取っていた。

 

 三外や古典語に比べ、既に教員の情報を多く握っているのも魅力だ。どの教員が地雷でどの教員がユルいか、予め分かっているのも大きい。また、比較的講義が散らばっているので、自分の都合のいい時間を選べるのも嬉しい。

 

 上級になると後期課程のガチプロや院生が混じってくるため空気がピリリとするが、そこはしっかりと初回の講義で見極めたい。語学に強い同クラを誘っておき、講義中は身代わりにしておくのがポイント。だいたい語強は放っておいても勝手に答えてくれるのである――語強とはそういう生き物なのだ。

 

2-2 第三外国語

 

・目安 90点以上

 

 一般に点の稼ぎどころと言われるのはここ。駒場は「駒場外国語大学」との蔑称があるようにやたら第三外国語の種類が豊富だ。これには教養学部後期課程生向けの講義を兼ねているから、という理由もある。

 

 ただし、やってみれば分かることだが、新たにもう一つ言語を習得するというのはなかなか骨の折れる作業である。また、第三外国語は二外と違いしっかりとした学習プログラムが存在しないので、凄まじいスピードで講義が進むことも多い。講義に出席することが目標になることが多いとはいえ、教員から白い目で見られるのはやはり辛い。その点は覚悟しておくこと。

 

 工夫としては、二外に「近い」言語を選ぶ、ということもできる。中国語であれば広東方言を選ぶ、スペイン語・イタリア語であればポルトガル語を選択する、などなど。そうすることで負担を軽減できる場合は多々ある。なお、本気で第三外国語を習得したい場合は、そういった「近さ」を過信しないこと。「近い」が故に他の言語とぐちゃぐちゃにしてしまうケースが多い。

 

 もう一点、教員の見分け方について。三外ともなれば外部講師や普段接触しない教員も数多いる。そうした見慣れない人々の大多数はクセが非常に強い。とりわけ、古典語と兼任しているような三外教員はアクが無茶苦茶キツい、ということは覚えておいて欲しい。

 

2-3 古典語

 

・目安 90点以上

 

 最大の稼ぎ場であることは間違いない――ほぼすべての講義において、全出席即優上が担保されている。条件だけ見れば夢のような講義だ。

 

 だが、問題はその全出席すらままならない、という事実だ。

 

 古典語を舐めてはならない。奴らは二外はおろか第三外国語のほとんどよりも複雑な文法体系を保持している。アホみたいな暗記量、減りゆく戦友。士気の低下は避けられない。

 

 よほど古典世界に関心がない限り、古典語を2つ以上取ってはならない。火を吹くどころの騒ぎではない――もっと恐ろしい何かに直面してしまうだろうから。

 

 ラテン語は比較的マイルドな方だ。だが、そのマイルドなはずのラテン語でも、講義終盤は受講者が当初の半分にまで落ち込むのがザラだ。ましてや古代ギリシャ語やサンスクリット語など、最初から勝負にならない学生の方が多い。

 

 教員側も教養の巨人である場合が多く、唐突によく分からないネタを振ってくる。そのような過酷な環境を耐え抜いたものにだけ、100優上が恵まれるのである。

 

3.総合A~C

 

・目安

    得意な分野 => 85点以上

    苦手な分野 => 80点以上

 

 文Ⅰ・Ⅱ生はCを、文ⅢはA・Bを好む傾向がある。ここは受講者もあまり多くなく、自然とレポート勝負になりやすい。それだけに、自分の好みとしっかり合った科目を選び抜いていきたい。

 

 歴史系はBにあるが、やはり歴史は詳しい学生が多い。レポートでも論述試験でもなかなか優が巡ってこないので、優3割規定が適用されそうな場合はさっさと逃げること。

 

 Cは国関狙いの学生が人脈づくりのために敢えて選ぶケースがある。教員との接触が多ければ多いほど得られる情報が多く、点数にもよい影響を与えることが多い。自由度の高さを鑑み、そういう作戦も重要になってくるというのが総合A~Cである。

 

4.総合D~F

 

・目安

    D系列 70点~95点(後述)

    E・F 85点

 

 文Ⅲ生にとっては地獄。というのも、文ⅢのみD~Fから8単位も取らなければならないからだ。文Ⅲ生の点が伸び悩む原因の一つがここにある。

 

 大抵の場合、できるだけDで埋めてラスト1つをEで、という作戦にならざるを得ない。だが、Dは理科生にとっても救済科目群であるため、中途半端にDの科目を取ると理科文科入り乱れての大混戦に巻き込まれることも。

 

 D科目で強みを発揮するのは「意識高い(系)」人間か「変わり種」だ。フィールドが環境、空間、学際科学であるため、「私、地球温暖化はなんとかしなきゃいけないと思うんです!(台バン)」と熱弁する若干アレな人間や、「山手線は品川から田端までで~~(早口)」とマシンガントークを展開するあまりお近づきになりたくないタイプの人種が無双しがちなのだ。事実、D科目はその受講者数の割にガンガン点を稼ぐ学生が現れる。必ずいる。そうした人たちというのは、大抵「ヤバい」。

 

 かといって文系にE・Fで頑張れというのも酷な話だ。一部D科目にも言えることだが、「文系向けにアレンジした講義」とシラバスに書いておきながら、2回目の講義から平気で微分方程式を解き始めたりする。

 

 逆に言えば、解析の知識を持っていればなんとかなるのがこの科目群である。理系の色合いが濃いため、教員も「試験ができれば点をあげる」というスタンスでいる場合が多い。また、周りの文科生も出来があまりよくないので、相対評価でも十分勝負できる。数学に強い文系の点数が高いのは、この辺りが影響している。

 

 人が選ばない道に点はある。そのことが一番表に出てきやすいのがD~F科目だろう。

 

5.再履修

 

 幸運だと思いなさい。人が選ばなかった、否、選べなかった道にあなたはいるのだ。

 

 再履修はシステム的に上限の点数が定まっている。そのため、超高得点は期待できない。

 

 だが、最後の最後になって、「あの60可がなければな……」と思い悩むこともない。再履修は点数の上書きができる。

 

 常に前向きな姿勢を忘れず、いつでも貪欲に未来を見据える。そうした態度でいる者にこそ、大逆転の美酒はふさわしい。

 

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Ⅲ 結尾

 

 自分に自信がないT大生は悲劇である。その臆病な自尊心を抱えたまま、傷つくことを恐れるあまり荒野へ飛び出す。そして、いつしか人の形を失ってしまう。

 

 自信を取り戻すことは難しい。自分はダメなんじゃないか、そう思った瞬間から堕落の魔の手が襲い掛かる。そして、ほとんどの場合、自分から進んで闇を受け入れるのである。

 

 もし、そこに光があるとすれば、それはボロボロになったプライドだろう。どれだけ虐げられてもまだ踏ん張ろうとするそのプライドだけが、彼らの両足に力みを与えてくれる。

 

 まだ燃え尽きたくないプライドと冷静な思考だけを携えて、大博打に打って出てみてもよいのではないか。それくらいの権利は、自ずから負け犬になろうとする彼らにだってある。

 

 勝った、という思いだけが、彼らを救いあげる蜘蛛の糸たり得るのである。下にすがる有象無象を蹴落としたその先に、彼らの栄光がある。彼らが掴む糸は、善人を好むことがない。だからこそ、彼らは登りきった先で復活できるのだ。

 

 たかが点数、されど点数。せめてT大生らしく、最後までプライドを持って戦い抜いてみて欲しい。それが、筆者からのせめてもの応援である。