Mashiro Chronicle

長文をまとめる練習中 割となんでも書く雑食派

童貞論【『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』プレイ感想<ネタバレなし>】

やわらかい言葉で素直に感想を綴りたい。そう思える作品だった。

 

作品全体に籠る熱と溢れ出る優しさが、そう思わせてくれたのだと思う。

 


 

作品概要

・新規ブランド・Qruppoの記念すべき商業デビュー作

・性行為が盛んに行われている離島でレジスタンスを結成した「童貞」の物語

・軽妙なテンポとスリルある隠密行動シーンが共存

 

ここがオススメ!

・ルートをもらったヒロインの他にいる副攻略対象がかわいい!

・CGのみならず立ち絵までエロい!

少年マンガのようなプロットが熱い!

 


 

Qruppoのデビュー作、『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』(以下『ぬきたし』)が話題を呼んでいる。店舗によっては品薄になっているようで、プレミア価格で取引されているところも見かける。新規ブランドでここまで話題になってくれるのは、一エロゲプレイヤーとしても嬉しい。

 

幸いにも、筆者は発売日に購入することができた。届いた箱を眺めてみると、なんともたくさん女の子が描かれている。果たして誰が攻略対象なのか、裏面を見る限り5人だろうか、いや表の6人だろうか…… まず、そこを考えるところからして楽しかった。

 

この女の子とどんなお話を紡げるのだろうか。この想像こそが、エロゲをプレイする中で最も大事な思いの一つであることは確かなのではなかろうか。その意味で、『ぬきたし』は大変ワクワクさせてくれる作品だ。

 

誰が攻略対象かは敢えて口にしないでおきたい。ネタバレだから、というのもある。だがそれ以上に、このゲームの特性として、一つのルートで攻略することになるヒロインは事実上一人ではない、というものがあり、誰がメインヒロインなのかという議論にあまり意味がなくなってしまっているのだ。

 

そう、この、サブヒロインいや副攻略対象ヒロインの存在こそ、『ぬきたし』の魅力を倍増させているファクターなのだ。作品中、分かりやすい対立の構図が幾つか提示される。そんな中で、行動力と忍耐力には人一倍長けた主人公に敵味方問わずヒロインが惹きつけられていく。これが、この作品の全てのルートの共通する基本的なプロットだ。まとめてしまえばなんということはない。しかし実際には、惚れていくまでの過程や惚れてからの行動が時にコミカルに時にシリアスに描かれ、絶妙なハーモニーを奏でてくれている。

 

何が言いたいかというとイクちゃんかわいい。

 

閑話休題。時にコミカルに、の部分を担うのは主に二つ。一つは、主人公に近い人々によって繰り広げられる会話劇や掛け合い。もう一つは、突拍子もない設定を活かした島の人々の行動だ。

 

過疎化対策に性行為が推奨される島で、風紀概念が完全にイカれた人々がとりあえず出会いがしらにセックスする。文章に起こすとディストピア感が凄いものの、実際にシナリオを読んでいるとこれがまた楽しい。「抜きゲーみたいな」設定は、シナリオの根幹であるのだが、根幹である分このような枝葉にまで影響力を残している。

 

これが功を奏したのが立ち絵だ。もう立っているだけでエロい。服飾によるところが大きいのだが、なぜか雰囲気までエロく感じる。

 

何が言いたいかというとイクちゃんエロい。

 

それでいて、お話はきちんと盛り上がるのだからズルい。どのルートも骨格はおおよそ同じなので、残りはヒロインの設定や性格によって肉付けされている印象。隠密行動や戦闘シーンの緊迫感は普段の島のとぼけた雰囲気とはまるで異なり、息もつかせぬほどだ。実際には、ただ家に帰るだけのミッションであることも多いのだが、それを大仰に書き立ててみるとこれが面白い。滑稽ですらあるし、その滑稽な話にのめりこんでいる自分も謎だ。

 

上述のとおり、敵対関係(とその推移)が分かりやすいので、話の筋を掴むのに苦労はしない。分かりやすく書く、というのは案外難しく、特に敵味方が激しく入れ替わる場合は細心の注意を必要とするのだが、その辺りも難なくクリアしている。この作品においても、敵と味方は混ざり合う――というより、昨日の敵は今日の友だ。少年マンガのバトルロイヤルよろしく、倒した敵は味方。このプロットも、長年愛されているだけあって完成されている。もうとにかく熱い。最終盤など展開が全て読み切れているにもかかわらず熱中してしまう。悪役の散り方も型にかなっていて、プレイ後の爽快感たるや相当なものがある。

 

何が言いたいかってイクちゃんかっこいい。

 

総じて、エロゲという媒体で目指されるべきエンタメとして相当なレベルでまとまっている。見ていて楽しい、読んでいて興奮できる。なるほど、そういえばエロゲをやるというのはこんなに喜びに溢れた行為だったのだ、と改めて認識させられた次第だ。

 

楽しいといえば主人公のことも忘れてはいけない。主人公は童貞とはなんなのか語る。その姿もなかなかに童貞くさいのだが、なるほどこの作品は童貞を論ずるエロゲであって童貞のエロゲなのだなあと納得した。主人公の造形がいいエロゲで、こういうところにも工夫が見えて好感が持てた。

 

この作品には、シナリオを簡潔にするためだろうか、幾つかの伏線が未回収になっている。キャラの裏設定も、掘り返せばまだまだエピソードが作れそうだ。願わくは、ボリュームのあるFDが発売されんことを。

 

 

 

 

 

…………。

 

 

 

 

 

何が言いたいかってイクちゃんともっとイチャイチャさせてくださいお願いしますっっっ!!!

 

いやほんとイクちゃんかわいいんですよ。非処女だけど主人公にべた惚れしていくまでの過程とルートでのあの健気な姿見てたらもう……なんというかダメ。ダメです。ほんとエロい。セックスアピール全開だしあれで勃たないとか主人公絶対インポでしょインポだったわごめん。筆者は違うけど。ビンビンでしたけど。いやよく考えたら主人公もやってたわ。天の光はすべてイクちゃんです。なんなら『ぬきたし』の光全部イクちゃんまである。お願いだからイクちゃんに愛を、愛をあげてくださいFDに貢ぎますからお願いします。

 

というわけで、抜きゲーみたいな島に住んでるイクちゃんはどうすりゃいいですか? どうすればイクちゃんが報われるのか考えながら、今日も眠りたいと思います。みんなもイクちゃん、よろしくね。